AI(人工知能)社会の大人に必要なスキル
大変な時代に子供を産んでしまった
「いつやるか、今でしょ!」の林修先生の講演会に行ってきた。とても嬉しいことに、普段僕が考えているAI社会の大人に必要なスキルの内容とほとんど同じようなことをおっしゃっていたのでますます自分の考えに自信がついた。
今日は林先生の話を自分なりにアレンジして、今後の子供について話したい。
高度経済成長期の大人は、楽だった
僕は高度経済成長期に生まれていないので、この世代の人の苦労は知らない。でも今の時代よりは、「人生の選択肢の少なさ、そして何を選択しても食べるに困らない職があった」という観点からは、今よりは「精神的」に生きるのが楽だったと思う。
上の図で、収入を、赤い木の実に例えよう。
そうすると、とりあえず大学や高校を卒業して社会に放り出された大人は、木の実(収入)を求めて旅に出る。高度経済成長期は、周りが「木の実だらけの森」だったわけだ。つまり
- 東西南北、どこに進もうが
- 走ろうが、歩こうが、
- 木に少ししか登らなくても、頂上まで登っても
どうやったって、木の実(収入)を手にすることができたというわけだ。ちなみに木の頂上を大きな木の実(高い年収)とすると、学生時代に勉強や努力をした人(木登りの方法を学んだ人)がさらに木の頂上まで登れた。
僕が言いたいことは、大きい木の実でも小さい木の実でもどちらも良いけど、とにかく全員「木の実が食えた」わけだ。
しかし、これからのAI社会はそうはいかない。森の社会ではなく、砂漠の社会だからだ。
- 東西南北で正しい方向を決めないとダメ
- 走らないとダメ
- オアシスに付いても、木に登らないとダメ
なんとまあ、厳しい時代に生まれたことか。でもそんなことは言ってられない。そんな時代に子供を産んでしまった親の責任は大きい。
高度経済成長期の親のアドバイス
僕の親の世代が僕たちに子育てのアドバイスをするときに、「なるようになるから、安心しなさい」と言うことがある。僕はこのアドバイスが大嫌いだ。
僕の親の世代は、なるようになる世代(とりあえず木の実が食える世代)だったからだ。そんな時代のアドバイスを、砂漠の時代の孫にされても困るし迷惑だ。
必要なのはオアシスを見つける地頭と嗅覚
これからの大人に必要なのは、オアシスを見つける自分のコンパスと体力だ。コンパス(計器)さえ自分の脳にもっていればどんな砂漠に放り出されても、オアシスを見つけ出すことができる。体力さえあれば、コンパスを信じて走り続けることができる。
例え東大を卒業しても、その能力がないと悲惨な目に合う例を、林先生が話していた。ぼくが東大にいた時も、勉強しかできない連中はたくさんいた。
コンパスは非認知能力
コンパスは、学校の偏差値や学歴では測れないことが大企業でもわかってきた。だからソニーのように履歴書に学歴を書く欄がない会社がこれからも増えてくるだろう。
非認知能力(逆境に強い力、本番で緊張しない力、コミュニケーション力、忍耐力、論理思考、統率力、発想力など書けばきりがない)を鍛えてこそ、本当の教育だと信じている。